もったいなくない

「捨てるのはもったいない」
という考え方こそ
もったいない

医学書の最終校正をしています
最初に提出した原稿と今回とでは
4割ぐらい変わりました

自信のあった例え話
革新的な解説
的確な考察
に思えたものも
意図が伝わらないと気づけば
少し名残惜しんでから
バッサリと削除して書き直します

「この章は苦労して書いたのに」
と思う部分ほど捨てるのは楽しい

自己満足の役に立たない本を書く
のと
意図した以上に役に立つ本を書く
のではどちらがいいか?
と考えれば答えは一瞬で出ます
もちろん後者です
ならば
意図が伝わらなければ当然捨てる

ここで
せっかく書いたのにもったいない
と考えること自体がもったいない

もったいないと思うようになると
「この文章を何とか使えないか?」
としか考えられなくなる

すると更にツギハギだらけの
怪文書のようになって
さらに意図の伝わらない本になる
そして膨大な時間がかかってしまう

バッサリ捨てると迷わない

書き直すという選択肢しか
残らないからだ

意図も伝えやすくなるし
時間の節約にもなる

だからこそ
期限内なら何度でも書き直す
と自分では決めている

同じような話を聞いたことがある
ダイエットで最も簡単なのは断食
食べないと決めれば
これは食べても良いか?
あれば食べなたいな
それは止めておこう
という一切の悩みから解放される

 

もったいないと考えて
時間と労力を無駄にすることが
本当にもったいないことだ
どうせならバッサリ捨てよう

 

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