「もう自分が長くない
だから身辺整理をしたいけれど
家族に前向きに生きろと言われる
前って何なんでしょうね」
身辺整理ですか?
「要らないものを処分したり
仕事を引き継いだり
財産のことを考えたり
結構やることあるんです」
今やりたいんですか?
「元気なうちの方が良いでしょ?」
そりゃそうですね
「要らないものを残したら
家族も処分に困るでしょ」
ご家族のことを考えてらっしゃる
「そりゃ残される方が大変だよ」
十分前向いてらっしゃいますね
「そうかな。もっと前向きに
なれっていつも言われてるんだ」
ご自身ではどう思います?
「前向いてると思う」
ええ。そう思います
「だよね
どうしたらいいだろう?」
残りの人生どう生きたいですか
「好きに生きたいね」
その話ってご家族としてますか?
「そう言えばしてないね
こっちの気も知らないでって
思っちゃうからね」
そうですよね
ちょっとしたアドバイスですが
「お願いします」
悪意はないと思いますよ
「そうなんですか」
ええ。
自分のことじゃないから
余計に心配で
辛い未来を否定したくなるんですよ
「そうかもしれないね
でも、ありがた迷惑っていうのも
あるんだよね」
遠慮しちゃうんですね
「あ。ほんとだね。
もっと自分から話をした方が
良いのかもね」
まず何ができそうですか?
「思ってることを話してみるよ
自分が残りの人生を
どう生きたいと思ってるかを」
前を向くというのは
過去ではなく未来を向くことです
未来から目を背けることではない
何かに挑戦する時に
「大人になれ」
「地に足をつけろ」
「夢みたいなことを言うな」
と言ってくる人は
未来から目を背けた人です
未来から目を背けた人は
どれだけ近しい人でも外野です
自分の人生を
最期まで主人公として生きるなら
自分がどう生きたいかだけに集中する