終末期医療は残された時間を
いかに有意義に過ごしてもらうか
という観点で考えます。その中で
痛み、息苦しさ、だるさ等の体の辛さや
精神的な辛さをとるのが私の仕事です。
駆け出しの頃は症状がとれれば
穏やかに過ごせるようになるはずだ
と信じて診療に取り組みました。
確かに症状がとれたことで、
穏やかに過ごせる方もいました。
しかし多くの方は症状がなくても
穏やかに過ごすことができません。
当時なぜなのか分かりませんでした。
コーチングを学ぶようになってから、
普段あまり意識されることのない、
生き方やあり方が人生の方向性を
大きく左右させていると知りました。
それによって、終末期医療の現場で
「人は生きてきたように死んでいく」
という言葉と結びつきます。
死は生き方の最期の一部分。
痛みよりも、もっと前に
穏やかに過ごせない原因がある。
死からの逆算だけでは、
決して見えなかった世界が
見え始めました。