ベッドの上の猫

ベッドの上の猫

ある患者さんの家には猫がいました
人懐っこい訳でもなく
人嫌いな訳でもない
どこにでもいそうな
かわいい猫でした

患者さんが退院してきてからは
毎日一緒に寝ていたそうです

私が訪問診療する時は
散歩に出ていることが多かった

先週末からベッドの上から
離れなくなった

ご家族が診察の邪魔になるから
と猫をベッドから下ろそうと
されたので私はこう言いました

離れたくない理由があるはずなので
そのまま置いておいてあげて下さい

診察を終えてご家族に伝えました

残された時間はほとんどありません
今日か明日でしょう

お別れが来ることを猫は
わかっていたのだと思います

だから今最もしたいことをしていた
のだと思います

私は直感的にそれを感じ取ったので
そのままにしてあげてほしい
と言いました

行動の背景には意図があります

行動だけを見ていては
真意がわからないことが多いです

なぜその行動をしたのか

という視点で考えることが
意図を理解するために
重要なことです

 

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